【第5話考察】『スティンガース』が挑む“幸せの果実”事件──囮捜査が宗教団体の闇を照らすとき
ドラマ『スティンガース 警視庁おとり捜査検証室』第5話の舞台は、なんと新興宗教。タイトルを聞いただけで背筋がぞくっとする方も多いのではないでしょうか。今回の事件は「信者の連続行方不明」。しかも舞台は5000人規模の宗教団体「幸せの果実」です。これは単なる刑事ドラマの一話ではなく、現代社会が抱える“宗教と若者”というテーマにも鋭く切り込んでいます。
なぜ若者は宗教団体に惹かれるのか?
ドラマはただの事件モノにとどまらず、「どうして信者が失踪するほどの力を教団が持てるのか」という点に踏み込んでいます。自然との共生、自給自足、共同生活。現代の孤独や生きづらさを抱えた若者が惹かれる要素が巧みに描かれ、視聴者も「もし自分だったら…」と考えさせられる仕掛けになっています。
囮捜査ならではのスリル
通常捜査は“事件が起きてから”動くのが鉄則ですが、スティンガースの武器は囮捜査。まだ疑惑の段階で内部に潜入できる強みが、今回の宗教団体潜入で存分に発揮されます。信者になりすまし、リーダーたちと接触するスリルはまさにコンゲームさながら。犯人を追うのではなく、“真相に取り込まれてしまうかもしれない危うさ”が最大の見どころです。
森川葵×玉山鉄二の掛け合いに注目
今回も中心に立つのは二階堂(森川葵)。不敵な笑みで「神のご加護がありますように」と囁くシーンは、カリスマ性すら漂わせます。冷静に囮捜査の意義を語る西条(玉山鉄二)との対比も見事。さらに乾(藤井流星)の素朴な疑問や、関口(杉本哲太)のコミカルな熱意が加わり、重いテーマながらも“チームドラマ”としてのバランス感覚が光っています。
視聴者が感じるリアルな恐怖
実は“宗教団体に潜入する刑事ドラマ”は意外と少なく、今回の挑戦はかなり異色。視聴者は単なるフィクションを超え、「もし自分の家族が信者だったら?」「行方不明者が出たらどうする?」と現実に引き寄せて考えてしまいます。だからこそ本作は、単なるエンタメではなく“社会派エンタメ”として記憶に残るのです。
まとめ
『スティンガース』第5話は、新興宗教というデリケートかつリアルな題材を大胆に取り上げ、囮捜査という設定の強みを最大限に活かした回でした。事件の真相がどう暴かれるのか、そしてスティンガースのメンバーが“信者の仮面”を被りながらどんな駆け引きを繰り広げるのか──次週以降も見逃せません。
👉 視聴者に問いたいのは、「あなたはもし勧誘されたら、抗える自信がありますか?」。
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