“LGBTQ視点で読み解く”ドラマ『ぼくたちん家』の魅力
はじめに
日本テレビ系でスタートしたドラマ『ぼくたちん家』は、ただのラブコメではありません。「50歳ゲイの翻訳家」と「妻子ある中学教師」が出会い、“家を買う”という突拍子もない提案から物語が動き出します。この一風変わった設定が、多くの視聴者の心をつかんでいる理由を、LGBTQ視点から紐解いていきます。
“家を買う”という提案が示すもの
従来の恋愛ドラマで「結婚」や「同棲」は愛の証として描かれます。しかし『ぼくたちん家』では「家を買うこと」が関係を縛る行為として提示されます。これは、同性カップルが法的に結婚できない現実社会において、“共に生きる証”をどう残すか、というリアルな課題を象徴しているのです。
登場人物の葛藤と共感ポイント
- 波多野玄一(及川光博):50歳のゲイ男性。キャリアも経験もあるが、孤独感を抱えている。彼の提案には「自分の居場所を確保したい」という切実さがにじみます。
- 作田索(手越祐也):妻子持ちの中学教師。家族と社会的立場に縛られながらも、玄一との出会いに心が揺らぐ。視聴者は“どちらの幸せを選ぶのか”という問いを自分に重ねるでしょう。
- 楠ほたる(大原櫻子):二人を取り巻く存在として、物語に柔らかい視点を与える役割。彼女を通して、視聴者は“第三者のまなざし”で二人の関係を見つめ直すことができます。
LGBTQドラマとしての意義
『ぼくたちん家』は単なるラブストーリーではなく、“社会のすみっこ”で生きる人々へのエールでもあります。同性婚が認められない現代日本において、登場人物たちが選ぶ「家」という形は、現実とフィクションの狭間にある希望と苦悩を同時に描いているのです。これはLGBTQ当事者だけでなく、「自分の居場所」を模索するすべての人に響くテーマです。
制作背景とリアルさ
脚本を手がけた松本優紀氏は、細やかな心理描写と社会性を両立させる筆致で知られています。また、インクルーシブプロデューサー白川大介氏の存在も大きく、単なる“多様性を謳う作品”にとどまらず、リアルで誠実な物語を実現しています。
まとめ:私たち自身の“家”を考えるきっかけに
『ぼくたちん家』は、恋愛ドラマでありながら“居場所”や“縛り”という普遍的なテーマを描き出しています。視聴者にとっても「自分にとっての家とは?」「誰と生きたいのか?」を問い直すきっかけになるでしょう。
さいごに及川さんと手越さんの主演作品を紹介します。
及川光博の主なドラマ出演作品
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ぼくたちん家(2025年)
新作恋愛コメディで主演。50歳ゲイの翻訳家と妻子ある中学教師の“一風変わった”恋愛模様を描くドラマです。 -
イグナイト -法の無法者-(2025年)
クライムジャンルのドラマ。及川さんは弁護士・桐石拓磨役で出演。 -
御上先生(2025年)
教育現場をテーマにした一話完結スタイルのドラマに出演。 -
潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官(2024年)
詐欺組織に潜入する兄妹を描いた刑事ドラマに出演。 -
フェルマーの料理(2023年)
数学×料理の新感覚ドラマ。及川さんは高校の理事長役で出演。 -
最愛(2021年)、女神の教室 リーガル青春白書(2023年度)、ドクターY(2024年)、城塚翡翠 霊媒探偵(2022年)などにも出演。
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大河ドラマ「八重の桜」(2013年)
新島八重の兄・木戸孝允役で登場。 -
他にも「白い巨塔」「半沢直樹」「ドラゴン桜」「相棒」シリーズなど、人気ドラマへも数多く出演されています。
及川光博の主な映画出演作品
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(LOVE SONG)(2025年10月公開)
最新作として公開予定です。 -
グランメゾン・パリ(2024年)
人気ドラマ『グランメゾン東京』の映画版。及川さんも出演。 -
引っ越し大名!(2019年)
時代劇映画に出演。 -
君は月夜に光り輝く(2019年)/七つの会議(2019年)/祈りの幕が下りる時(2018年)/僕だけがいない街(2016年)など、近年の話題作にも多く出演。
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その他の出演映画:
『大奥』(2006/ゲーム)・『相棒』シリーズ(映画)・『20世紀少年 第1章 終わりの始まり』・『クローンは故郷をめざす』・『プライド』・『サクラダリセット 後篇』・『少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録』(劇場アニメ)などもあります。
手越祐也のドラマ出演作品
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ぼくたちん家(2025年10月~、日本テレビ系)
中学教師・作田索役。7年ぶりの連続ドラマ出演にして、及川光博さん演じる主人公の恋の相手役です。黒髪にイメチェンし話題に 。 -
ヤマトナデシコ七変化(2010年、TBS系)
主人公が憧れる存在・雪之丞役で出演。 -
デカワンコ(2011年、2012年、日本テレビ系)
主人公の相棒・桐島竜太役で出演 。 -
マイ☆ボス マイ☆ヒーロー(2006年、日本テレビ系)
桜小路順役としてコメディ要素のある役を演じました 。 -
その他、以下ドラマにも出演しています。(台湾ウィキも含む)
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氷点2006(2006年、テレビ朝日、辻口徹役)
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Gachibaka!(ガチバカ!)(2006年、TBS系、宇津木実役)
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Gekidan Engimono(2005年)
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15才のブルース(2005年)
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劇団えひめ 第13回「家が遠い」(2005年のドラマ)
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手越祐也の映画出演作品
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疾走(2005年、文芸映画)
主演・福原秀次(シュウジ)役を務めました 。 -
誰かが私にキスをした(2010年、ラブロマンス)
長谷川未来役として出演。記憶喪失のヒロインを取り巻く物語です 。 -
ホタルノヒカリ(2012年、恋愛映画)
冴木優役で出演。人気ドラマの映画化作品です 。
声優(吹替)出演
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ハッピー フィート(2007年、アニメ映画日本語吹替版)
主人公ペンギン“マンブル”の声を担当しました 。
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